ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

「そうだな。父さんもまだまだ学ばなければいけないことはたくさんある」


「私も、お父さんには負けないんだから」


「そうか」


私たちはベンチに並んで座った。


薄着のお父さんが心配で、早く家に帰りたかったけど、

お父さんはもう少し二人で話がしたいと言ったんだ。


「昨日は本当に済まなかった」


「それはもういいの。でも、どうして帰宅が遅くなったの?」


昨日に限らず、お父さんの帰りが遅ければ、こうやって訊けばよかったのだ。


今までは何もせず、本当に仕事なのか、私を避けているだけなのではないか、と疑っていた。


疑うだけで何の行動もしなければ、何も解決しないというのに。

< 379 / 445 >

この作品をシェア

pagetop