ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

「昨日、仕事でちょっとトラブルがあってな……。処理は今日中でもよかったんだが、今日は父さん休みたかったんだ。それで昨日は仕事を片付けていたら、帰りが深夜になってしまった」


「え、お休み?」


朝のメモを思い出しながら驚く。


今日も仕事だったのでは?


横にいるお父さんを見上げると、お父さんは申し訳なさそうな顔で微笑んでいた。


「メモには仕事に行くなんて嘘を書いてごめん。今年こそは茜の誕生日を祝ってやりたくて。準備を全て他人任せってのもどうかと思って、休みを取って、部屋の飾りつけや料理の手伝いをしていたんだ」


「え! でも、朝もお昼に帰ったときも家にいなかったよね?」


「あー実は……」


父は言いにくそうにした。

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