ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

「朝は部屋にいたんだ。息をひそめてこっそり」


「いたの?」


家の中は静かで、全然気づかなかった。


「ああ。昼は隣の鈴木さんの家にお邪魔して、奥さんに教わりながら飾りつけを作っていたんだ」


「ええっ」


お父さんが折り紙の輪っかや花を作ってくれたの?


てっきり、崇さんか真衣が作ってくれたとばかり思っていた。


そんな風に、私のために一生懸命準備してくれていたのに……。


「私が全部壊しちゃったのね……」


「そんなことないぞ!」


お父さんが慌てだす。

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