ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「結局、お祝いをサプライズしようとして失敗したんだろう。ちゃんと言っておけば良かったんだ。遅くなった理由も、土曜日に休んでパーティーするつもりだってことも」
「私たち、とことんコミュニケーション不足だよね」
「確かにそうだな」
「そうだ。お父さんの部屋に勝手に入ったの。ごめん。プレゼントを見た」
「あー……見られたのか。恥ずかしいな」
お父さんは照れくさそうに後頭部を掻いた。
「でも、あれは茜に渡すものだから、見られてちょうど良かったよ」
「ありがとう」
「いや、こちらこそ」