ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

寂しいときに空に輝いていた、ひとりぼっちのあの星だけが、

私を見守ってくれているような気持ちになったんだ。


「私、お母さんの星は金星な気がする。この前、夕方に宵の明星を見たの」


「金星か。とても強く輝く星だな」


「うん」


まだ暮れきっていないのに見えるくらい、空で輝いていた。


私はここにいるよってお母さんからのメッセージだったのかもしれない。


明るい昼間は気付かないだけで、空から見守ってくれている。


夜中だって空には見えなくても、宇宙で地球ごと見守り続けている。


そんな気がするんだ。

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