ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

「私、金星はひとりぼっちで、私みたいな星だと思ってた。でも、違った」


「仲間がたくさんいるもんな」


夜空を見つめながら頷いた。


きっと空をよく見れば、他の星だってわずかには見えたはずだ。


もしかしたら月もあったかもしれない。


夜が深くなり、金星が沈んで見えなくなって、たくさんの星と一緒に輝いているところが見られなくても、

いつでも宇宙にはたくさんの星がある。


今、輝いている星たちは一つ一つとても遠くに離れてはいるけど、仲間なんだ。


決して、ひとりぼっちなんかじゃない。


私はそのことに気付いてなかった。

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