ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
いや、もしかしたら気付いていたのに、目をそらしていたのかもしれない。
自分だけが一人だなんて思いたくなくて、星のたくさん輝く空を見ないようにしていた。
でも、全てが間違っていたのだ。
私は一人なんかじゃない。
隣にはお父さんがいる。
お父さんの体温を間近に感じながら、公園の入り口に目を向けた。
崇さんがズボンのポケットに手を突っ込んで、こちらを見ている。
そう、崇さんもいる。
家では真衣が待っている。
友だちがたくさんいる子に比べたら、数は少ないのかもしれない。それは私が努力して来なかった結果だ。