ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
エピローグ
ジュッと音を立てるフライパンを傾け、卵を広げる。
ぐちゃぐちゃに混ぜ、片側に寄せて油を敷くと、また卵を流し入れた。
卵を巻いていく。
半熟の部分がないように、わざとしっかりめに焼いた。
「できた」
お皿に卵焼きを置くと、頬が緩む。
崇さんに言われたことを思い出しながら、一人で卵を焼くという作業を何回か行い、
ようやく、危なげなく焼けるようになってきた。
次は唐揚げだ。
唐揚げの作り方は教わってないけど、スーパーで『揚げない唐揚げ粉』という商品を見つけたんだ。
パッケージの説明通りに唐揚げの衣をつけて、焼くようだ。