ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
お父さんと席につき、「いただきます」と手を合わせた。
お父さんの仕事の都合で毎日ではないけれど、こうやって一緒に食べることが増えた。
これが新しい日常となりつつある。
食事も終わり、先に家を出るお父さんを見送ったあと、私も準備を済ませて家を出た。
門扉の前には真衣が立っていて、手を振っている。
「おはよう、待たせた?」
「ううん。今ちょうど来たとこ。ねえ、それより」
「きゃっ」
門扉を開けて外に出たところで、真衣に手を引っ張られ、つんのめってしまう。
「真衣?」