ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
怒ったような声を出すと、真衣は「ごめん、ごめん」と笑いながら謝った。全然反省していない。
ため息をつきながら、駅までの道を歩く。
「で、何だったの?」
「んふふ」
並んで歩きながら真衣に問うと、真衣はにやっと笑って変な声を出した。
「何」
「私、聞いちゃった。茜ってばお正月に崇さんと初詣行ってきたんだって?」
「な、なんでそれを」
思わず立ち止まり、真衣を見つめる。
数歩してから私が立ち止まったことに気づいたのか、真衣が振り返った。
その顔はにやにやしている。