ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「お正月、うちに茜のお父さんが来たのよ。うちのお父さんとお酒を飲みにね。で、茜が崇さんと初詣行ってるって聞いてさ。
それ聞いたうちのお母さんが、茜に彼氏ができたなら、言ってくれたら着物でも着つけたのにー! って言ってたよ」
「いや、彼氏じゃないし!」
私は必死になって首を横に振った。
鈴木のおじさん、おばさんにまで知られているなんて、
恥ずかしすぎて、次に会うときはどんな顔をしたらいいんだ……。
頬が赤くなっている気がする。
左頬に手をあてると、心なしか熱い。
「でもさ、崇さんの家政夫の仕事はもう終わったじゃない。今井さん、戻ってきたんでしょ」
「うん」
「仕事じゃないのに会ってるのは、なんで?」
「なんでって……」