ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「あーあ、一缶3000円はするいい茶葉なのに、もったいない」
少年は私の横まで来ると、出しっぱなしにしていた紅茶缶を手に取った。
3000円と聞いて、我が家の紅茶はそんなに高いものなのか、と驚く。
「これって高級なお茶なの?」
「いや、どうだろ」
「え、だって今いい茶葉だって」
「うちで飲んでるのは500円とか1000円の茶葉だからな。それに比べたら高いし、美味しいんじゃないか。でも、紅茶って本当に高級なのは5000円以上するぜー」
「5000円!」
「ダージリンティーなんかだと、10000円超えるものもあるんじゃねえか」