ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「い、10000円……」
洋服を余裕で買えるお値段だ。
そんな値段の紅茶があるなんて知らなかった。
「これはアッサムか。なあ、牛乳はあるか」
「えーと、たぶん」
冷蔵庫を開けると、牛乳パックを取り出した。
消費期限は大丈夫のようだ。
少年はティーポットの中身を茶こしで漉しながら片手鍋に移した。
「これだけじゃ渋いかな……生姜とスパイスか何かあるか」
「え、わかんない」
「勝手に見させてもらうぞ」
と、冷蔵庫の野菜室を開けてゴソゴソしている。