ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
子供の定義もまた難しい。
私にとって子供は小学生くらいまでだ。
でも、それなら13歳から19歳は何と呼ぶのだろう。
大人からすると、高校生も子供なんだろうか。
私が20歳になるまでおよそ3年。
その頃には自分が大人になっているなんて、想像もできない。
崇さんが紅茶をティーカップに移していく。
多くできたようで、まだ鍋に半分ほど余っている。
それは冷蔵庫に入れて後で飲めばいいだろう。
私はお礼を言うと、麦茶用の空のポットを取り出し、残りをそれに入れた。
真っ黒で美味しくなさそうな紅茶だったのに、今はふんわりと良い香りが立っている。
どう見ても失敗だったものが生まれ変わるなんて、まるで魔法みたいだ。
頬が自然と緩んだ。