ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
その言葉は、私の胸に深く突き刺さる。
胸が苦しい。
私は何も言うことができず、先に歩き出す崇さんの背中を見ていた。
崇さんはソファの前のテーブルに、ケーキと紅茶を並べた。
「ありがとうございます」
家政夫さんとはいえ、今は仕事ではなくお客様なのに、すべてを崇さんに任せてしまった。
自分が情けない。
もう少し人並みに家事を覚えなくては。
向かいあってソファに座り、ケーキと紅茶をいただく。
崇さんはチョコレートケーキを一口食べて、瞳を輝かせた。