ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
食堂の扉を開けると、暖かい空気とざわめきが流れ出てきた。
温もりにホッとする。
いつの間にか寒さで肩に力が入っていたと、肩を下ろして気付いた。
「今日も混んでるねえ」
「本当にね」
真衣の言葉に相槌をうちながら扉を閉めて、中を見渡す。
6人がけの大きな机2つをくっ付けて並べてあり、それが縦に5つある。
その座席の9割くらいは埋まっているだろうか。
左手にあるカウンターには料理待ちで並んでいる生徒が10人ほどいて、
食券を買う機械にも列ができている。
それほど広くない食堂なので、通路を狭く取って室内いっぱいに座席を配置しているけど、
いつも満席近くまで混む。