ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

そんな風に私のことを考えてくれているなんてこと、あるのだろうか。


「オレもバイトは探してるわけだ。たった2週間のこと。我慢してくれ」


「はあー、仕方ないよね。もう今井さんはアメリカだし」


何かのトラブルでまだ日本にいたとしても、呼び戻すことなんてできない。


私も、そしてたぶんお父さんもそう思っている。


今井さんが我が家の担当になってから、十数年。


病欠以外の休みはなしで、月水金でずっと働いてくれていた。


しかも、今井さんは保育士の資格を持っていたこともあり、

最初の何年かは週5フルタイムで、幼かった私の世話も仕事だった。


私の母代わりに近い存在なんだ。

< 63 / 445 >

この作品をシェア

pagetop