ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
そんな風に私のことを考えてくれているなんてこと、あるのだろうか。
「オレもバイトは探してるわけだ。たった2週間のこと。我慢してくれ」
「はあー、仕方ないよね。もう今井さんはアメリカだし」
何かのトラブルでまだ日本にいたとしても、呼び戻すことなんてできない。
私も、そしてたぶんお父さんもそう思っている。
今井さんが我が家の担当になってから、十数年。
病欠以外の休みはなしで、月水金でずっと働いてくれていた。
しかも、今井さんは保育士の資格を持っていたこともあり、
最初の何年かは週5フルタイムで、幼かった私の世話も仕事だった。
私の母代わりに近い存在なんだ。