ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
「それじゃ、私は席を取っておくね」
「うん、ありがとう」
席取りを真衣に任せて食券を買いに行く。
今日はきつねうどんだ。
こう寒いとお腹が十分に温まりそうなものを食べたくなる。
しばらく待ってうどんを受け取り、真衣を探した。
みんなが同じ制服でわかりにくいうえに、
真衣は小柄なので、こういうとき、すぐには見つけられない。
視線を右から左、左から右へと動かしていると、
「茜、こっちこっち」と真衣が私を呼んだ。
声のした方を見ると、えくぼを見せた真衣が体を精一杯に伸ばし、上げた手を振っていた。
「お待たせ」
真衣の向かいにお盆を置いて、席についた。