ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
言い聞かせながら2階に上がろうとして、私はケーキの残りのことを思い出した。
もう遅い時間だけど、大丈夫かな。
ジーパンのポケットに入れていたスマホを取り出し、時間を確認する。
10時すぎだ。
おじさんもおばさんも寝るのが早いとは聞いたことがないし、起きているはず。
捨てるよりはと思って、鈴木家に届けることにした。
ケーキを取りにキッチンへ行くと、とても綺麗に片付けられている。
流し台には水滴ひとつなかった。
晩ごはんの食器も湯呑みも洗わせてしまったようだ。
冷蔵庫にはマグネットでメモ用紙が貼られている。
なんだろう。