ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
やっぱり見た目と違って意外と律儀というか、生真面目というか。
たった2週間なんだから、適当に働いて過ごしても文句も出ないだろうし、
私のことなんて放っておけばいいのに。
いい人ってこういう人のことを言うのだろうか。
私は冷蔵庫からケーキの箱を取り出し、お隣に向かった。
インターフォンを押して出てきたのは真衣だった。
お風呂に入ったあとのようで、ワンピースタイプのもこもこの部屋着にレギンスを穿いて、
髪の毛はまだ濡れている。
「……どうしたの」
学校でのことを引きずっているのは私だけではないのか、真衣の声は少し低かった。