ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
私に彼氏がいないことは当然として、
人当たりがよく男女ともに友人の多い真衣にも彼氏はいなかった。
それなりに男子から告白されてそうだけど、真衣はいつも片思いで、告白できずに終わる。
恋愛ごとは奥手なのだ。
「もちろん。茜も来るよね?」
「あー……私は」
行かないという答えは許されるだろうか。
正確には「行けない」だけど。
答えようとしたところで、
「あ、鈴木。ちょうど良かった」
とお盆を持って通りかかった同じクラスの男子が真衣に声をかけた。