ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー

真衣は箸を一旦置くと、真剣な目で私を見た。


私は眉を寄せながら真衣を見返すも、何も思い当たらずに当惑してしまう。


「隠してることなんてないと思うよ」

「本当に?」

「うん。てか、変だよ、真衣。なんなの」

「いや、それならいいの」


真衣は話を打ち切ると、ご飯の続きに取りかかりながら、

ドラマの話やクラスメイトのうわさ話など、たわいもない話をした。




翌日も、昨日と同じように教室でお弁当を広げると、真衣の様子はやはりおかしくなった。


「……今日もお弁当なんだね」

真衣の声が低い。


怒っているのか、と不安になりながらも返事をする。

< 99 / 445 >

この作品をシェア

pagetop