ヒトツボシ ーヤンキー家政夫と美味しい食事ー
真衣は箸を一旦置くと、真剣な目で私を見た。
私は眉を寄せながら真衣を見返すも、何も思い当たらずに当惑してしまう。
「隠してることなんてないと思うよ」
「本当に?」
「うん。てか、変だよ、真衣。なんなの」
「いや、それならいいの」
真衣は話を打ち切ると、ご飯の続きに取りかかりながら、
ドラマの話やクラスメイトのうわさ話など、たわいもない話をした。
翌日も、昨日と同じように教室でお弁当を広げると、真衣の様子はやはりおかしくなった。
「……今日もお弁当なんだね」
真衣の声が低い。
怒っているのか、と不安になりながらも返事をする。