あんたの代わりは、いないから。
「……そうえばあたしね、指導部長に
『学校の恥だ』って言われたことあるよ」
「なにそれ辛くない?
"生徒の鏡"である成田くんと
"学校の恥"と言われた茉梨乃ちゃん。
2人はまるで正反対だね」
「それね。でも指導部長酷くない?
言葉の体罰だよね?気にしてないけどさ」
「うん、酷い。
プラス茉梨乃ちゃんの校則違反も
かなり酷い」
そう言って瑠依ちゃんは、
「髪は染めるし、化粧は濃いし、
制服は着崩すし…」と、あたしの悪いところを指折りしながら数えていく。
「授業サボるし、赤点の常連だし…」
「瑠依ちゃん!?
よくそんなポンポン出るね!?
びっくりしたよ」
「……今更だけど茉梨乃ちゃん
よく進級できたよね…。
退学になってもおかしくないレベルだよ」
「待ってよ瑠依ちゃん、1つだけ言わせて。
あたし、赤点は1回も取ったことないんだよ」
……ちなみに。この学校は、29点以下が
赤点の対象となっている。
「もう赤点みたいなものじゃん!
全教科オール30点って、逆にすごいよね」
「すごいでしょ?毎回赤点回避なんだよ」
ぶっちゃけた話。
点数なんてどうでもいいけど
追試なんて、面倒くさいじゃん。