あんたの代わりは、いないから。
「茉梨乃ちゃん、もう3年生だし
そろそろ黒染めから始めようか」
そう言って、
瑠依ちゃんはあたしの肩をポンっと叩いた。
「えー。だってさ、
人生最後の高校生活だよ?
好きなものは貫きたくない?」
「うん。でもね、みんなそれを我慢して
生きているのさ」
「…我慢、かぁー。制限されるのってさ、
自由を奪われてる気がして
なんか嫌なんだよね」
そんなことを呟くと、
瑠依ちゃんは不思議そうな顔をして
あたしの方を向いた。