あんたの代わりは、いないから。
「あら?2人とも知り合いだったの?」
不思議そうな顔をして
そんなことを尋ねる先生に
「いえ、あたしが一方的に
知っているだけで…」と呟いた。
……朝初めて知ったんだけどね。
「ところでせんせい、
お時間大丈夫ですか?」
大好きなさくら先生が大遅刻をして
ペナルティで転勤とかになったら嫌だよあたし。
あたしもついていく勢いだよ…
迷いなく転校するね。
…勝手にそんなことを考えているうちに
「わっ…もうこんな時間…!」と
先生の慌てた声が聞こえた。
「それじゃあ成田くん、お大事にね!
茉梨乃ちゃん、成田くんのことよろしく!」
「はーい、行ってらっしゃいです」
「行ってきます!」
手を振りながら、
あたしは先生を見送った。
__ピピピピッ…
そして、それと同時に
彼が持っている体温計が鳴る。