あんたの代わりは、いないから。



「…ねぇ、大丈夫?
過労?勉強のしすぎ?」



あたしが想像していたよりも
後輩くんは辛そうで、本気で心配になる。



でも、若干潤んだ後輩くんの目を見ると
子犬のように見えてきた。



ごめん……可愛い。



「…すみません、もう大丈夫なんで」



そう言ってはいるけれど、
明らかに無理している後輩くん。



「………」



__そんな彼に向かって
気付けばあたしは、背伸びをしていた。



そして、手に触れる柔らかい髪の毛。



< 23 / 83 >

この作品をシェア

pagetop