あんたの代わりは、いないから。
「ふっ…そんなこと、初めて言われました」
鼻で笑った後輩くんは、
完璧な優等生…というよりは
ちょっとだけ生意気に見えた。
でも、可愛いから許す。
……それにしても
後輩くんの髪の毛、ふわふわだな…。
なんというか…ずっと触ってたい。
「あ。後輩くん、窓際のベッドで寝なよ。
太陽当たって暖かいし、
さっきまであたしが寝てたから
温もりがあるよ」
なんて、軽く冗談を言いながら
ベッドのシーツを整えた。
そして、「はい、おいで」と
手招きをする。
__ギシッ…
「………あんたの匂いがする」
ベッドの上に乗った後輩くんは
ボソッと何かを呟いた。
「ん?」
「……甘い匂いがします」
「甘い匂い?…あー、もしかしたら
香水うつっちゃったかな…。
ごめんね、ベッド変える?」
「…いえ、このままで大丈夫です」
「そ?じゃあ、ゆっくり休んでね」
__そんな言葉と同時に
あたしはシャッとカーテンを閉めた。