あんたの代わりは、いないから。
親の言葉に縛られて、窮屈な毎日だった。
"完璧"しか、求めない家。
"期待"を背負うのが、重苦しくて。
だけど学校帰り、塾なんか当たり前で。
平日休日、勉強ばかり。
友達と遊びに行った記憶なんて、
全然なくて。
みんなが羨ましかったの。
学校帰りに、カラオケとか。
同級生で、誕生日パーティーとか。
近所のお祭りとか、花火大会とか。
すごく楽しそうで、羨ましかった。
………自由になりたい。開放されたい。
そう思った。心から、本当に。
だからあたしは、高校に入る前に
ぜんぶ捨てて、逃げ出したんだ。
地獄のような、あの空間から__