あんたの代わりは、いないから。



__保健室を後にして、
教室に向かうその途中。



学生ホールの自販機前で、
飲み物を選んでる可愛い子を発見。



__ガコンッ…



ボタンを押して、彼がしゃがんだその瞬間



「だーーれだ」



笑いをこらえて
カーディガンの袖で、イタズラしてみた。



「………」



数秒固まる後輩くん。



反応待ちのあたし。



「……3秒で気付いたって言ったら
褒めてくれますか?」



しゃがんだまま、こっちを見上げた後輩くん。



自然な上目遣い。
女子よりも、女子力高いかも。



「ふふっ…めっちゃ褒めるよ。
今日も可愛いね」



そう言って、柔らかい髪の毛を
くしゃくしゃしてあげる。



…うそ。ほんとはあたしが、触りたいだけ。



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