あんたの代わりは、いないから。



「お、お話があるんです。
来てもらえませんか」



……敬語ってことは、たぶん年下。
後輩くんと同じ、2年生。



「あー…ごめんなさい。委員会が待ってるから
ここじゃダメかな?」



こう見えても、平和主義。
なるべく穏便に済ませたい……これ本音。

 

だけど女の子は
戸惑うようにキョロキョロと見渡した。



「そう、だよね。
…じゃあ、あっち行こっか」



……って、なぜあたしが誘ってるんだ。



自分で思わず苦笑い。



でも、ここじゃきっと…言いにくいんだろうし。



怖がられてるのも、分かってるから。 



あたしの方が年上だし、
自分で言うのもなんだけど…こんな見た目だ。



評判だって、良いわけがない。



ぜんぶ分かってる。


< 55 / 83 >

この作品をシェア

pagetop