あんたの代わりは、いないから。
「そうえば昨日さ、わたると……」
"何かあった?"
…って聞こうとしたけど
……やっぱりやめた。
後輩くんに、変な気遣わせそう。
「昨日、ですか?」
「あー…うん。昨日……遅刻!
…巻き込んじゃったよね。ごめんね。」
咄嗟に話題を変えたけど…
…そうえばあのあと
遅刻の件で後輩くんまで教員に
嫌なこと言われてたから……申し訳なかったな。
「…遅刻の原因は、
茉梨乃先輩のせいじゃないです。
なのに……どうして昨日、
嘘ついてまで庇ってくれたんですか?」
「…へ?」
そんなことあったっけなぁ……
と思いながら、昨日のことを思い出す。