距離1000㎞
ネモフィラの丘
食べ物がのどを通らない日が一週間は続いた。
なんとか食べなければと、一食を一日三回に分けて食べた。

考え事などしないようにとバイトに出かけても、気が付けば頭の中に彼と彼女がどっかりと座りこんでいる。
考えて、考えて、考えて。
考えないように、考えないように、考えないようにと己に言い聞かせて。

何もかもが無駄な努力であるということを知った。

頭の中に居座った彼と、彼にまとわりつく彼女は、私の中で消えそうにない。

何が大事なのか、という発想の転換をして、
彼女を無理に追い出すのはやめることにした。
彼に、私か、友人か、なんて選択、
大事なら苦しめるような選択を迫ってはいけない。

ネモフィラ畑のアルバムで、
ずっと、上手くいえてこなかったことが言えた。今まで私自身言葉が見つけられなかった事態を
言うことができた。

彼に悪気はなくとも、もう少し自覚して行動してほしい、ということ。
もう少し、彼の行動で、私がどう思うかも考えてほしい、ということ。
彼はあまりにも無防備で、彼女は私たち二人よりも相当上手だということ。

電話口の様子から、今回は彼に伝わったと思う。
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表紙・目次

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