君が思い出になる前に…

「３年？」
「そぉ、３年…。あなたと結婚してから…」
「おれと？けっ、結婚!?」
「そうよ。あなたの奥さんよ」
おれの…、奥さん…。
「記憶障害が少しあるって、お姉さんがおっしゃってた。ゆっくり思い出してくれればいいわ…。あたしはずっと、あなたと一緒ですから…」
優しい表情をのぞかせ、瞳は潤んでいる。
おれが絵美と３年前に結婚してた？
そうなの？
これって素直に受け入れていいんだろうか？
絵美が結婚したのは、15年前の事故の後、おれの代わりに現れた別の祐作なんだよな。
そして、ずっと付き合っていて、その祐作と３年前に結婚した訳だろ？
おれじゃないんだ…。
それを知ってて、絵美は話してるのか？