君が思い出になる前に…
その時、姉さんが部屋に入ってきた。
「祐、あなたの患者さんね、一年振りに意識を取り戻したわよ」
おれの患者?
一年振り?
どういう事?
「患者って?誰?」「加賀紀子さんよ。良かったわね。あなたが一生懸命治療してあげたからよ。それにしても不思議よねぇ、あなたと同じ日に意識を戻すなんて…」

どういう事なんだ?わからない。わからない…。
頭を抱えてしまった。
「祐、慌てないでいいのよ…。ゆっくり思いだせばいいんだからね」
優しく諭す恭子姉さん。

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