君が思い出になる前に…
夢に出てきた記憶は真実か…。


あれは夢ではなく、この世界の祐作が辿ってきた、過去の出来事なんだ…。

信じがたい事なんだが、現実として実感してきた。

15年間ずっとそばにいた絵美と、3年前に結婚した事も、全ておれの記憶に書き込まれている。


「おれはもう大丈夫だから。心配しなくていいよ。多分記憶は全て戻ったと思う…」

なぜか不思議と冷静でいられた。

「え?本当なの?」驚いたようにおれの顔を見つめる絵美。
「あぁ、多分ね…」
知らない事があるかもしれない。

その為のバリケードを張った。


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