君が思い出になる前に…
「祐、記憶が戻ったんだって?」

姉さんが病室に飛び込んできた。

少し遅れて絵美が戻ってきた。


「うん、なんとかね…。今まで迷惑かけたね、ごめんね」

冷静過ぎる自分が、気に入らなかった。

「なに言ってんのよ。本当に良かったわね」

姉さんも泣いていた。

「泣くなよ」

「嬉しいんだよ…。ほっといてよ」

泣き笑いする姉さん。

その後ろで絵美も同じような表情をしていた。


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