君が思い出になる前に…
「迷惑なんて思ってないよ。何言ってんの?」

「だって15年前は、あたしの代わりに大怪我して、今回だって、あたしの容態が変わって、早朝に病院に来たんでしょ?その途中で事故に遭ったって…、聞いたけど…」

「そんな事、気にするなよ。事故は偶然、君とは関係ないよ」

「関係無い訳ないじゃない…。あたしに関わる事であなたは大怪我してるのよ…」

申し訳なさそうに紀子が言った。

「運命なんだよ…」
「運命?」

ポカンとする紀子。
「うん、運命…。君を助ける事が、おれの運命。おれに助けられる事が君の運命なんだよ」


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