君が思い出になる前に…
新たな旅立ち
「もういいじゃない…。昔の事なんて…。それを知ったからって、何にもならないのよ。それはあなたが一番良く知ってるんじゃない?今のあなたでいいじゃないの。絵美さんがそばにいて、お母さんが望んでたお医者さんになれて、これ以上の幸せはないんじゃないの?」


紀子がおれを諭すように言った。


「確かにそうかもしれない。でもあきらかに、前の自分じゃないって事はわかってる。それでいいんだろうか…」


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