君が思い出になる前に…
姉の存在
 悩んでいても始まらない。とりあえず悩むのはやめよう!
行き当たりばったりかもしれないけど、突き進むしかないもんなぁ…。
誰かに相談できる問題でもないし。

そんなこんなで放課後…。
部活…です。
体育館の匂い。久しぶりだなぁ…。
床のワックスの匂い。懐かしいなぁ。
高校に入っても三年間バスケ続けて、就職もチームのある今の会社を選んだ。
三部リーグの弱小チームだったけど、上位リーグ目指して、閉店後に深夜遅くまで練習してたなぁ。26歳で引退するまで…。
おっ、やってる。
誰かになんか言われそうな感じ。
「元宮!遅いぞ!」やっぱり…。
誰かは智也だよ。くそぉ~偉そうに。本当ムカつく奴だよ。
故障した膝も、今はうそみたいに痛くない。当然と言えば当然か…。
15歳の体なんだもんな。
どれ、ちょっとやってみるか?ほらボール廻してみ。
おっ!、マジで体が軽いよ。信じられないくらいだ。動く、動く!
今の身長は168cmしかないけど、周りもそんなに大きくないから、あんまり関係ない。
動ける!前のまんまだ。しかも不思議な事に、経験した十数年の感覚は忘れていない。
「おい、どうした?今日はなんか凄いんじゃないの?」
ほほぉ、偉い智也くんにも判ります?このドリブルの速さ、フェイント、そしてスリーポイントシュート!どうだ!
「おぉ~入った!」って智也の奴が目を丸くしてる。
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