君が思い出になる前に…
病室に戻ってみると、絵美が身のまわりの片付けをしていた。


「今夜で最後だもんね…」


絵美が言った。


「え?何が?」


「何がって…。明日は退院でしょ?」


「あぁ、そういう事…」


「加賀さんどうだった?」


「姉さんとも話したけど、明日退院できる」


「あら、あなたと一緒?」


「あぁ、一緒…」


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