君が思い出になる前に…
どのタイミングで部屋から出たらいい?
「裕~、ご飯だよ~」
あの女子高校生がおれを呼んでる。
祐?そんな呼び方されたの初めてなんだけど…。
誰なんですか?あなたは…。
とりあえず居間に行くしかないか…。
「お、お、おかえり…」
お袋、わ、若い!
びっくりだよ。
そっか、まだ40ちょっとだもんな。
でも、スーツにタイトスカートって…。こんな格好してたっけ?
この女子高生は、お袋の友達か?こんな若い子が友達ってのも不自然だよなぁ…。
「なに突っ立ってんの?早く座りなさいよ」
なんだよ、本当にこのメガネの女子高校生はさっきから…。
「お袋、こ、こちらの方は?」
若いお袋にも違和感あるけど、こっちの女子高校生は、もっと気になる。
「お袋って今言った?」
お袋がおれを見た。
「お袋だって…。やぁねぇ~」
女子高校生の顔をみてお袋が言った。
「大人ぶってんじゃないの?」
味噌汁をすすりながら、なんの屈託もなく涼しげに女子高校生が言った。
「あ、だ、だから、こちらの方は?」
改めて聞き直した。ふたりは顔を見合わせている。
ん?なんかおれ、変な事言ったか?ん?
「あんた…頭おかしくなった?」
お袋がおれの顔を見直してる。
「姉さんの事からかってんの?それってなんか意味あるの?それとも誰かのギャグ?」
お、お、お姉さん!?ってどういう事!?
「い、意味わかんない…」
正直な今のおれの気持ち…。
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