君が思い出になる前に…
紀子の言葉にコクリとうなずいた絵美。廊下を歩いて行く紀子の背中を目で追っていた。
「帰れる?」
絵美が心配そうに小さくそう言った。
「うん、帰れるよ」カバンを持って、絵美の元に向かった。
おっと、日記忘れた。Uターンして机の中からノートを取り出し、再び絵美のところへ。
「はい、これ」
そう言ってノートを差し出すと、絵美は嬉しそうに受け取った。
「まだ帰らないでいたの?」
「うん、体操部の部室の掃除してたの…。終わって教室に戻ろうとしたら、元宮君の姿が見えたから…」
うつむき加減に絵美が言った。
「本当に誤解しないでよ…当番だったんだから」
なにを弁解してんだろ。おれ…。
「だって、あの黒板の名前、違うし…」絵美が指差して言った。
え?黒板の名前?あ…。
「あ、あれは明日の当番の名前だよ」
女って鋭いなぁ…。よく見てるもんだ。「あっ!そうか!そうだよね」
急に明るい顔になった。
「帰ろ♪」
ケロッとして笑顔に戻った絵美。
怖いなぁ…。
しかし、なんでおれ、こんな事でドキドキしなきゃいけないんだ?変なの…。
テスト終了の日は部活動無し。それは常例だった。
なぜなら現在、先生方全員でテストの採点中。つまり顧問が立ち会えない部活はやってはいけないからだ。
夏の大会前の貴重な休みという訳だ。
「帰れる?」
絵美が心配そうに小さくそう言った。
「うん、帰れるよ」カバンを持って、絵美の元に向かった。
おっと、日記忘れた。Uターンして机の中からノートを取り出し、再び絵美のところへ。
「はい、これ」
そう言ってノートを差し出すと、絵美は嬉しそうに受け取った。
「まだ帰らないでいたの?」
「うん、体操部の部室の掃除してたの…。終わって教室に戻ろうとしたら、元宮君の姿が見えたから…」
うつむき加減に絵美が言った。
「本当に誤解しないでよ…当番だったんだから」
なにを弁解してんだろ。おれ…。
「だって、あの黒板の名前、違うし…」絵美が指差して言った。
え?黒板の名前?あ…。
「あ、あれは明日の当番の名前だよ」
女って鋭いなぁ…。よく見てるもんだ。「あっ!そうか!そうだよね」
急に明るい顔になった。
「帰ろ♪」
ケロッとして笑顔に戻った絵美。
怖いなぁ…。
しかし、なんでおれ、こんな事でドキドキしなきゃいけないんだ?変なの…。
テスト終了の日は部活動無し。それは常例だった。
なぜなら現在、先生方全員でテストの採点中。つまり顧問が立ち会えない部活はやってはいけないからだ。
夏の大会前の貴重な休みという訳だ。