君が思い出になる前に…
15年前はそんな風に思わなかったけど、30歳のおれからみたら、凄くかわいいよ。って、ロリコン?大丈夫かよ!
「な、なに言ってんの?ばか!」
ツンとして前を向き直した。けど頬が赤らんでいるのがわかる。
15歳のおれならそんな事、絶対言わなかったろうな…。凄い内気だったもの…。まともに女の子と口もきけなかったし…。
これってスーパーで、パートのおばちゃんたちに揉まれた賜物でしょうかね…。
あれ?ちょっとまてよ…。15年前のおれは今みたいな事、言わなかった…。
けど、今のおれはケロッと言えてしまう。
という事は15年前のおれとは違うって事?
当たり前だけど、当たり前じゃないんだ!
そうだよ…簡単に歴史が変わってしまうって事。本当に変わるんだろうか…
よくSF映画なんかじゃ、それがキーワードになってるよな。『歴史を変えてはいけない!』
なんてやってたけど、それってどんな意味がある?
実際に変えて未来が変わるなんて誰にもわからないじゃないかよ。
だってそれって未来を知ってる人間だけがわかる事だよな…。
過去の人間が未来の事わかる訳がない。1分後のことすらわかってない。
だけど、おれは知ってる。
細かい事は覚えてないけど、少なくともあと15年後までは一度経験済みなんだから…。
これって凄い事なのかも…。
使い方によっちゃ、エラい事になるんじゃないのか?
マジでヤバい事になってきた。


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