君が思い出になる前に…
 昼休みになった…。
午前中は頭の中が混乱してて、あっという間に時間が過ぎてしまった。
これからどうしたらいいんだろうか…。この時代に生きるしかないのか?
SF映画なんかだと、タイムマシンを使ったり、雷に打たれたりしてタイムスリップするって設定多いけど…。
雷!?夕べの雷が!?
原因…?

もしかしたら、今が夢の中なんだろうか…。
もう一回つねってみた。
「痛っ!」
やっぱり痛い…。
夢では無い。
でも、痛いって感覚は脳が反応してる訳で…。
夢だって脳の反応な訳だから、夢の中でも痛いって信号が送られてたらやっぱり痛いって感覚あるんじゃないのかな。
だったら、これが現実なのか夢なのかって判断は誰にもつかないって事?
また頭がこんがらがってきた…。

兎にも角にも、今はこの時代に慣れるしかないって事のかなぁ…。

「裕作、いつもの弁当は?」
健太が声をかけてきた。
「あ~、あ、ない…」
そうだ、いつも台所にお袋が弁当作っておいてくれてたんだ…。
そんな事忘れてたよ。今朝、あんな状況で気づく訳ないよなぁ…。
「今日は…パンにする」
「今からかぁ?購買、たぶんいっぱいだぞ」
健太が言った。
そうだよなぁ、今からじゃおそらく凄い事になってるんだろうなぁ…。
朝も食わないできたから、腹は減ってる。
夢の中でも腹って減るんだろうか…。
それも信号か?
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