君がいなくなって
「二人とも、偶然とはいえ盗み聞きは良くないよ」

そーちゃんは。

そう言って私の手を取った。

「隆道」

池田さんはそーちゃんを見た。

「もっと自分の女を監視しとけ。
お前の優しさが返って沙織の心を乱してる。
…沙織の考えを優先するだけじゃ、ダメだよ。
お前ももっと強引に行けよ」

そーちゃんは言いたい事を言って、私の手をぐいっ、と引っ張って足早に歩き始めた。
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