君がいなくなって
「置いときなよ」

そーちゃんは私の手から制服を取り上げて綺麗にたたんでくれた。

「箱に入れて、置いといたらいいよ。
…他にも大切な物があるだろ?
それも一緒に」



「それじゃあ、いつまで経っても忘れられない…」

「真由」

そーちゃんに後ろから抱きしめられた。

「何故、そんなに急いで忘れようとする?
忘れる必要なんてないんだよ。
拓海がいなくなって、みんな時々思い出してそれぞれ悲しんでいるし。
泣きたくなったらいつでも泣いていいんだよ」



そーちゃん。

どうして、そんなに

私に優しいの?



そんな事を言われたら

ずっと拓海くんは私の心の中に

居続けるじゃない
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