君がいなくなって
やがて

「頭が出てきましたよ」

と、助産婦さんが言って。



私も自分で確認をする。



助産婦さんのリードに合わせていると。



「あっ…」

そーちゃんが短く声を上げた。

しばらくして泣き声が聞こえて。

「おめでとうございます、女の子ですよ」

と、全身真っ赤な赤ちゃんを見せてもらった。

そーちゃんは臍の緒を切らせてもらっていた。



「抱いてあげてください」

と、赤ちゃんが手元に来て。

恐る恐る抱いた。



温かい。



「パパも抱いてみます?」



助産婦さんが今度はそーちゃんに赤ちゃんを抱かせた。

さすがに慣れた手つきで抱くそーちゃん。

そっと。

頬と頬をすりあわせた。

そーちゃんの目には涙が。

「これからよろしくね」

小さく、呟いていたのが印象的だった。
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