君がいなくなって
「…結婚って」

今まで一切黙っていたママが口を開いた。

「恋愛結婚だけが結婚じゃないものね」

ママは私を見て

「あなたがいいなら、お見合いもありだわ。
子供を産んでからでも、その子供と真由を大切にしてくれる人を探せばいいじゃない」

…なんて事を言うんだ、ママ。

「私、そんなに割り切れないし、嫌だ」

私は周りを見回した。

みんなの様子から、私の出方を待っているのがわかる。

「私には今でも拓海くんしかいない。
他の人と一緒になるくらいなら、一生大変な目をしてでも一人で子供を育てる」

静まり返った中。

「それが甘いんだよ」
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