君がいなくなって
ボタンを押す指が少し震えていた。

この電話が繋がれば。

私は一体どこにいっちゃうんだろう。


しばらくコールが続いて。


「はい」

総一さんの声が聞こえた。



「ま…真由です」

急に恥ずかしくなってきた。



「どう?体調は?」

もっと、違う事を言われると思っていたので拍子抜けしてしまった。

「えっ、今は大丈夫です」

「そう、良かった」

安堵の声が聞こえた。

「あ、あのっ!」

「ん?」

「明日、仕事が終わってから会えますか?」
< 22 / 153 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop