君がいなくなって
「そーちゃん、結婚するんだって?」

池田さんは笑って私を見た。

私は慌てて立ち上がって挨拶をする。

「真由ちゃんか〜、ヨロシク」

手を差し出されたので私もそれに応じた。

「俺も結婚するよ、沙織と」

意外な発言に私はビックリ!

そーちゃんも驚いていたけど、

「おめでとう、良かったね」

そう言って池田さんの肩を叩いていた。

「ようやく、プロポーズを受け入れてくれたよ」

なるほど。

沙織さんはずっと拒んでいたのか。

「多分、そーちゃんの結婚に刺激を受けたんだろうね。
今、何ヶ月?」

目立ってきたお腹を見て聞かれた。

「今、5ヶ月だよ」

そーちゃんが私の代わりに答えた。

「うらやましい、俺なんか子供はいつになるやら」

やっぱり、どこか拒まれているんだ…



「じゃ、また後で。
いいレースをしような!」

池田さんは手を挙げた。

「うん」

そーちゃんも手を挙げて立ち去る池田さんを見送った。
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